コントラバスの練習にアップライトベースって使えますか?とよく聞かれます。
コントラバスは置く場所取られるので、ボディの無いアップライトベースは現代の住宅事情を考えると魅力的ですね。
またサイレントベースとして夜間の練習用にも使えます。値段的にも単板の楽器を買うよりは安いです。
というわけで、アップライトベースどうなんだろう?コントラバスの練習に使えるの??と思ってらっしゃる方の疑問にお答えしていきます。
アップライトベースはコントラバスの代わりになる?

アップライトベース
正式名称はエレクトリック・アップライト・ベース。
一言でいえば、コントラバスのエレキ版です。写真の通りボディがないので、弾いてもほとんど音が鳴りません。
アンプに通して音を出すこと。またヘッドフォンを使って夜間の練習用として使用することができます。ジャズやポップスのベースとして使われることがあります。
「サイレントベース」と呼ばれることがありますが、これはYAMAHAのアップライトベースの商標なので一般的な名称とは違います。
アップライトベースの特徴
コントラバスに比べるとコンパクトで軽いことが特徴。エンドピンやフレームを取り外せるので、ゴルフバックの小さいようなものにスポッとしまえて持ち運びが簡単です。
弦はコントラバスと同じものを使います。生で音を出すわけではないので、コントラバスに比べるとかなり長く使うことができます。
ピッチカートでもアルコでも鳴らすことができ、弓はコントラバスと同じものを使います。
アンプ等に繋がなければ弦が鳴るだけなので、出る音は極小さくご近所を気にせず練習できます。
なお、小さなボディがついたアップライトベースもあり、コントラバスに比べれば小さいですがある程度の音が出ます。ハウリングを防ぐ構造になっています。
コントラバスの練習に使えるか

多くの方の関心が集まるところですが、アップライトベースはアルコで弾くコントラバスの練習用としてはあまり役に立ちません。
弓で弾く感覚がまったく違います。弦のテンションが低くコントラバスとは異質な感じで簡単に音が出ますし、弦を抑える左手にかかる負担もアップライトベースの方が遥かに軽いです。
コントラバス初心者の方がアップライトベースを弾けるようになっても、コントラバスでは満足な音は出せません。アップライトベースは弾けるけどコントラバスは弾けないということになります。それなら最初からコントラバスで練習したほうが良いです。
またコントラバスを弾ける人がアップライトベースで練習しても、コントラバスの練習にはほとんどなりません。ただ、譜読み用と割り切って使用するならば、夜間も譜読み作業が出来てしまう利点はあります。
購入時の注意点

コントラバスをお使いの方がアップライトベースを購入される際、ぜひとも気をつけていただきたいのがネック部のポジションです。
コントラバスは中間ポジションにおいてネックがポジション取りの基準になります。例えば第6ポジションの場合、親指をネックにかけて音程を取ります。
安価なアップライトベースの場合、ネックのポジションがコントラバスとまったく違います。これだけ違うと練習にならない・演奏できないというレベルです。
そして、ボディを体にくっつけ支えを作って演奏するコントラバスですので、ボディの無いアップライトベースの場合フレームの形状が重要になります。安価なものはやはりこの場所の作りが簡易的なので、普段コントラバスを弾いているようなバランス感覚で楽器を構えることができません。
おススメのアップライトベース
おススメのアップライトベースはやはり安心・安定、老舗のヤマハ・サイレントベースです。様々な角度からコントラバスに近づけて設計されていて弾き心地は最高です。
お値段高過ぎですがイタリアのALTER EGOのアップライトベースは素晴らしいです。性能だけでなくデザイン性も秀逸。冒頭の写真もALTER EGOです。
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ALTER EGO Baby Ego Dual Source【NEW】※純正ヘッドフォンプリアンプ付き !【日本総本店ベースセンター在庫品】 価格:475,200円 |
まとめ
コントラバスの練習用に考えるとアップライトベースは期待するほどには機能しません。
ただ「アップライトベースはアップライトベース」とコントラバスとは違う独自の楽器と考えて、用途にあった利用をすれば便利で活躍の場は大いにあります。
アンプを通して演奏する機会の多い方はコントラバスのピックアップとの比較で検討の価値ありです。何より持ち運びが便利で、コントラバスではちゅうちょする屋外での利用が可能であることも大きいです。
YAMAHAのサイレントベースが20万円代前半ということで高い買い物ですので、本ブログを参考によく検討してみてください。