バスオさんの部屋

ヴァイオリンやコントラバスなど弦楽器のことを中心に、子どもさんのお稽古や楽器管理のアドバイス。アマチュア・初心者の方のおススメ楽器など。

弦楽器あれこれ 海外からの個人輸入

小さめのヴィオラ購入記録 (Gligaのヴィオラ 15インチ)

投稿日:2019-11-03 更新日:

バイオリニストが羨ましいのは、それ程の苦労無くヴィオラという別の楽器を弾けること。私立の音大では大抵バイオリン専攻者は副科でヴィオラを教わるので両方弾ける方が多いです。

バイオリニストの妻もやはり大学でヴィオラをそれなりに勉強したのですが、楽器は持っていないので卒業後は長く弾く機会がありませんでした

「ヴィオラも弾けると便利だな」と思える機会が割りとあるので、今回思い切って購入することにしました。ただ“本格的に”ということでは無いし、予算も無かったので【ある程度使えるお手頃価格のヴィオラ】を購入しようということで試行錯誤しました。

そんな経験談から、手頃な値段のヴィオラ購入を検討している方、また小柄なので普通のヴィオラだと辛いという方に参考になるよう記事にまとめます。

ヴィオラのサイズ

バイオリンという楽器はサイズについてかなり細かく標準が定められています。ですから、微妙な差はあっても大体サイズとしては似通っています。一方コントラバスですと特に規定が無いのでサイズは驚くほど一つ一つ違います。

ヴィオラという楽器もどちらかというとコントラバスよりで、サイズにかなりの差があります。体の大きなヨーロッパのヴィオラ奏者が物凄く大きなヴィオラを弾いていることがあります。

一応日本では15.5~16インチ(39.5~41.5センチ)の辺りが標準と言われますが、それも「そう言われる」くらいのことで何かはっきりした取り決めがあるわけではありません。極端な話しサイズが何であっても、ヴィオラらしい良い音がすれば「良いヴィオラである」という世界です。

15インチヴィオラ

妻は小柄で手も小さいので購入するヴィオラのサイズをどうするかに一番頭を悩ませました。正規のヴィオラの最小サイズ15.5インチを改めて試しましたが若干体系的に無理があるように見えます。本格的にヴィオラに挑戦というわけでもないのに無理をして体を壊してしまっては本末転倒。

そこで思い切ってもうワンサイズ小さい15インチ(38センチ)のヴィオラに決めました。

僅か1.5センチの違いと思われるでしょうが、実際のところ全然違います。小柄な人には楽器が1.5センチ小さいというのは劇的に弾きやすくなることです。

果たしてこの大きさでヴィオラらしい音が出るのか、音色のことが一番の不安でした。

Gligaのヴィオラ購入

サイズが決まって次にどのような手段で、どのようなヴィオラを入手するかの問題です。

15インチという特殊な楽器を手ごろな値段で、しかもそれなりに使えるものをと考えて、日本でもおなじみ。ルーマニアの楽器メーカー GLIGAのヴィオラをアメリカから個人輸入することにしました。Gliga Violins USA

そうして届いたのがこの楽器です。
値段を考えると十分すぎる楽器。作りはしっかりしていて、木目が細かく、最近世界的に品質が落ちている指板の黒檀も質の良い物でした。

音色

肝心の音についてですが、これは15インチのサイズ的な問題が大きいと思います。やはり若干詰まった感じの音がするのと、低音が軽い(浅い)印象です。

元々付いていた駒があまり良くなかったので取り換えて少し良くなりました。

他の15インチヴィオラと比較したわけでは無いので、一概にサイズの問題とは言えませんがやはりちょっとヴィオラの音域で良い音を出すには小さいのかもしれません。

それでも妻にはサイズ的にはこれでちょうど良かったです。専門ではない楽器で体を痛めてはいけませんので我が家にとっては良い選択だったように思います。

値段

気になるお値段ですが日本で買うと10万円以上するところ、送料を含めて半額くらいで購入できました。

調整代が別途かかり、駒を直ぐに変えましたのでその分の費用がかかっていますがそれでも格安。

この値段で手に入れてあれこれ文句を言ってはいけない、素晴らしいコストパフォーマンス。海外からの輸送で不安がありましたが、しっかり梱包されていて破損は一切見られませんでした。大満足です。

サイズの差

15インチヴィオラのサイズ感が分かるように、同じGligaのフルサイズバイオリンと並べてみました。

写真をご覧いただくと、それ程大きさの違いを感じないかもしれません。15インチは確かに小さいです。小柄の方もリーチの短さはあまり気にならないと思います。

ただやはりバイオリンとヴィオラでは楽器の厚みが違います。サイズがバイオリンとそれほど違わないといっても、負担がまったくないかと言えばそうではないようです。これで15.5インチだと家の妻は厳しかっただろうと思います。

楽器はやはり手に取って弾いてみないと分からないところがありますが、ヴィオラ購入を考えている方。特に体の小さい方でヴィオラ購入を考えている方の参考になれば幸いです。  

-弦楽器あれこれ, 海外からの個人輸入

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

Amazon USAで購入 お買い得 お勧めバイオリン(準備編)

【楽器が欲しいけどバイオリンは高くて】という多くの方の悩み。 今日は比較的簡単かつ安全な方法で安くバイオリンを購入する方法としてAmazon USAの利用についてお話しします。 Amazon USAで …

コントラバスとバイオリン、どちらの値段が高い?

弦楽器の値段について色々書いてきましたが、⇒ヴァイオリンの値段はどうやって決まる? 今日は【コントラバスV.S.バイオリン】 サイズが圧倒的に違うこの2つの楽器、どちらの値段が高いのか?またその理由は …

長い間使われていなかったバイオリンの再生記録

知人から「全然使っていない古いバイオリンがあるけど」と声をかけてもらいました。時々この手の話しがありますが、十中八九安価な楽器が朽ち果てたような物。それでも見ないではおられない楽器好きの私です。 ダメ …

バイオリンの値段はどうやって決まる?

ヴァイオリンの値段ほどミステリアスなものは珍しい!? 新品の量産型の楽器は最初から値段を決めて製造・販売しているので分かりやすいですが、管楽器と違いヴァイオリンは専門の道に進むと「定価○○円 型式HV …

お手ごろバイオリン購入時の注意点 削り出し工法とプレス工法

お手頃価格(安価)の楽器を選ぶにあたって、押さえておいたほうが良いバイオリンの制作や材料・構造の問題が幾つかあります。 良い楽器を購入するにはそれなりの知識を身につける必要があります。特に「安くて良い …