近年習い事が多分野に広がり、しかも専門性が高まっているので高校進学で専門科を考えるお子さんが増えており、音楽はその筆頭。この記事を読んで、音楽高校進学を考える方の参考にしていただければ幸いです。
音楽高校を考える時に、大きく私立・公立の二つに分けられます。
私立の音楽高校の大半は音大付属高校です。首都圏の有力音大は軒並み付属高校を持っています。一方、公立高校にも各地に音楽科や芸術科音楽専攻、また音楽コースが設置されています。
私立音高
私立の音楽高校受験を検討する方は音楽の道に進むことを志して勉強してきた方がほとんどですのでごく簡単に。
基本的には付属高校からそのまま上の音大に進学することを念頭に、習いたい先生がいて、というのがほとんどだと思います。
音楽の道に進むことを前提にしたカリキュラムで、専攻楽器の指導をはじめ副科やソルフェージュ・楽典の指導など、教師の質はおしなべて高いもの。音楽を学ぶ環境としては最高です。
ただし、学費が高額になるのが一般家庭では一番の問題です。
公立音高
指導者問題
一方公立の音楽高校は私立の音高とは肌色がかなり違います。
カリキュラムは音大受験に必要な科目が網羅されていて、大体週に10数コマの音楽系の授業があるのは共通します。
一番大きな違いは教師陣。私立音大の場合、それぞれの専門の先生が担当するのに対して、公立音高の先生は都道府県によって採用された音楽教諭。いわゆる高校の音楽の先生です。
専門科のある高校の場合、ある程度教員の専門性が考慮して配置されるでしょうが、そうは言っても教員採用試験を経て教員になった方々ですから音楽家を養成する専門家ではありません。当然移動・入れ替わりもあります。
公立音高の中心の教員が「音楽の先生」であることを頭に置いておく必要があります。
ただし、音楽の全ての教科を教諭が担当するわけではなく、講師が多数関わっている場合がほとんどで、専攻楽器のみならず副科やソルフェージュなど教員免許をもった音楽の専門家が講師として指導に入っています。
カリキュラム問題
公立音高の場合、普通科との兼ね合いで、音楽進学には不要な課題や行事への参加を強いられることが多いようです。例えば普通科と同じ大学模試を土曜日などに定期的に受けさせられるなど、練習に集中したい時期に不要な課題に労力や時間を取られることはかなりストレスになります。
その辺は私立音高との違いですが、しかしそれが必ずしもマイナスとは言い切れません。ともすると音楽の世界の中で狭くなりがちな交友関係を広げ、音楽以外の分野についても知識を蓄えるなどプラス面も多くあります。
学業の得意不得意で受け止め方に違いがあるでしょう。
学費
公立音高は公立学校ですから、当然普通科と同じ学費です。私立音高とは雲泥の差で、一般家庭にはありがたいです。ただし、演奏会など音楽科のみに発生する費用はありますので、多少プラスアルファの支出が生じることは避けられません。とはいえ、年間2万円程度が一般的です。
まとめ
私立・公立、それぞれの音高のメリット・デメリットがありますね。
私立音高の場合、教師陣やカリキュラム面において音楽を学ぶのには最適。しかし高額な学費と交友関係・学びの狭さが課題になります。
公立の場合、学費の負担が小さいこと。そして交友関係や学びの機会が広く得られることがメリット。しかし教師陣のレベルと音楽に集中できないカリキュラムや学校行事が課題です。
参考になさってください。