柔らかいコントラバスの松脂は夏場の管理が非常に難しいですね。暑い中うっかりおきっ放しにして何度溶かしてしまったことか…。コントラバスあるあるです。
松脂管理はバス弾きみんなが気を使いますが、特に吹奏楽部のコントラバスの子どもさんたちの悩みの種でもあります。
今日は管理が難しい夏場の松脂管理についてお話しします。この記事を読むと、夏場も溶けやすいバス松脂をしっかり管理することができます。
一度溶けてしまった松脂は?
コントラバスの松脂は暑さで直ぐ溶けます。直射日光が当たる場所に置いていたら数時間で簡単に溶けてしまいます。冷えれば松脂ケースの中で大体元の形に戻りますが、しかし一度溶けてしまうと残念ながら元の品質には戻りません。
少しくらいのことで神経質になる必要はありませんが、溶け方の酷いものや、何度か繰り返したものは新しくしなければいけません。
松脂は色々なメーカーのものがあり、一つのメーカーの中でもソフトとかハードとか種類が細かく分かれています。松脂の微妙な調合の差で性能の違いがでるのです。
どろどろに溶かしてしまうと、一見元の形で固まったように見えても、製造された際の成分のバランスが崩れてしまうので同じような性能が期待できなくなってしまいます。
夏場の松脂の保管方法
自宅なら夏場は冷蔵庫に入れて保管するのが一番ですが、吹奏楽部の子どもさんなどはそうもいきません。
夏場にエアコンの無い部屋に長時間松脂を置かざるを得ないことがありますので、私の生徒さんは酷暑の中の一日練の日などには100円ショップなどにある小さなクーラーボックスに入れて持ち歩いたりしています。これも一つのアイディアです。
それなりのお値段がする松脂。ちょこちょこ買い替えられるような物ではありませんから、先生の理解が得られるなら職員室の冷蔵庫を使わせてもらえるとありがたいですね。
溶けた松脂で弓の毛がガチガチに
よくある夏場の松脂トラブルと言えばもう一つ、暑さで弓の毛に付いた松脂が溶けて固まってしまうことがあります。やはり吹奏楽部で良くあることですが、エアコンの無い楽器室に置いていた弓の毛が松脂でガチガチになってしまい、びっくりした生徒さんから連絡をいただいたことがあります。
松脂のつけ過ぎもありますが、夏場高温になる室内で保管していて弓に付着していた松脂が溶けて固まり、ボンドで固めたような毛の状態になってしまうのです。
こういう時は柔らかめの歯ブラシやブラシなどで丁寧にとかしてあげます。弓の毛を痛めてしまうので、根気強くゆっくり優しくやってください。ある程度毛がばらけてきたら、あとは松脂が落ちるようにひたすら弾き込みます。しばらくは松脂は一切塗らずに練習していると元の状態に戻ってきます。
弓の毛は濡らさない
時々、弓の毛に付着した松脂を水で洗うようなことをする吹奏楽部の子どもさんがいますが、これは絶対にしてはいけません。
毛がダメになります。コントラバスに限らず弓の毛は洗いません。濡らさないのが鉄則です。
また練習後にタオルで毛を拭いたり、ブラッシングして松脂を落とすのも、しない方がよいことです。松脂をつけすぎたと思った時には何日間か松脂を塗らないで弾いていれば自然と松脂が落ちてきてちょうど良くなります。
練習後は弓の竿を布で拭いてあげること。そして必ず毛を緩めること。この二つを毎日してあげてくださいね。