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コントラバス 弦楽器あれこれ

コントラバスでよく聞く「合板」と「単板」の違い

投稿日:2019-09-10 更新日:

ヴァイオリンなど弦楽器の材料となる木は表板がスプルース(マツ科の針葉樹)、裏板や側板はメイプル(楓)と決まっています。

しかし安価な楽器は値段を抑えるために代替材料が使われることがあります。

コントラバスでよく聞く「合板」と「単板」の違い

合板と単板

ヴァイオリンではあまり聞きませんが、コントラバスやチェロなど木を多く使う楽器ですと「合板」「単板」という言葉がよく使われます。これが、お手ごろ楽器の中で一つのグレードになります。

合板というのはいわゆる「ベニヤ板」のことです。楽器の材料に「合板」と書いてあったら、上の写真の通り薄い板を複数枚 熱圧接着した木材が使われているということです。

一方、「単板」と書かれていることは少ないですが、「合板」と書かれていない限り「単板」と理解して間違いありません。

コントラバスの安価モデルで使われています

最近はヴァイオリンでは合板の楽器はあまり見なくなりました。主要メーカーは最安モデルから単板を使っています。

ただコントラバスではエントリーモデルは合板が多いです。ヴァイオリンに比べて圧倒的に大きな木を必要とするコントラバスにおいて、合板で楽器を作ることによって相当のコストダウンが見込めるからです。

例えば日本のコントラバスメーカー オリエンテの最安モデルHB-25は表板以外が合板、HB-35も側板のみ合板となっています(側板は合板でもほとんど影響ありません)。

学校の吹奏楽部の備品コントラバスは30~40年前のSUZUKIの安価モデルが多く見られますが、そのほとんどが合板の楽器です。

合板の問題点

音の問題

合板の問題点は薄い板が何層にもなって接着されているので音・響きの伝達が悪く、こもったような・詰まったような音になること。

ただこれは、弾いている本人にはあまり感じられません。音が外に飛びづらく楽器の中にこもる傾向なので、演奏者自身はワンワン響くお風呂場で歌っているような気持ちよさを感じることもあるのですが、それは近くだけの響き。いわゆる“そば鳴り”です。

ステージなど広い場所では、音が演奏者の感覚ほどには客席に届いていきません。合板楽器の響きの特徴です。

耐久性の問題

もう一つ合板の欠点は、20~30年くらい経つと写真のように熱圧接着した複数枚の板がバラバラになってくることです。

楽器の接着部の剥がれではなく、ベニヤ板そのものがバラバラになってきてしまいます。こういう吹奏楽部のコントラバスを良く見かけます。これが合板楽器の寿命で、こうなってしまうと一箇所を接着しても次々に剥がれが起こってきて収拾がつかなくなります。

合板楽器を愛用する人

ここまで読んで、合板楽器が単板楽器に劣ることがわかっていただけたと思いますが、しかし世の中には合板楽器特有の音を愛する人もいます。

ジャズの方で、あえて合板楽器のこもった音が良いという方に会ったことがあります。

またマイクなどを通すことを考えれば合板楽器のマイナスはあまり問題にならないのかもしれません。

まとめ

弦楽器本来の音を鳴らすには合板では構造的に無理があります。基本的には単板楽器を購入されることをおススメします。

しかし、だから合板楽器は役に立たないということではありません。

長期的な使用を考えるとやはり単板楽器の方が良いですが、お金に制約があり自宅の練習用とか、10年くらいのスパンでの使用を考えるなら合板楽器でも十分に使えます。私自身も音大時代、自宅では合板楽器でずっと練習していました。

新品コントラバスですとオール単板の楽器は安くても35万近くします。一方で、手元に楽器があることのメリットは計り知れません。「合板楽器なら何とか買えるけど…」という方は検討の価値は十分にあります。

合板の性質・単板楽器の性質を理解した上で柔軟に考えることをお勧めします。

 

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