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防音室

バイオリン練習のための防音室の選び方 ①防音性能編

投稿日:2019-11-28 更新日:

バイオリンをはじめ楽器練習で頭を悩ませることが多い近隣への音(騒音)の問題。夜間はもとより、昼間でも自由に音出しできる環境を得るのは難しいですね。

そこで「防音室を設置して心おきなく練習を」と思ってネットを検索するとYAMAHAやカワイなど大手を筆頭にたくさんの防音室が販売されています。性能や大きさ、新品・中古、値段に大きな差があります。

この記事では私がバイオリン練習のために防音室を購入した体験をもとに、防音室を設置する上での具体的な事例を通して、これから防音室を設置なさる方の参考になる情報を提供していきます。

このシリーズをお読みいただくと、自分にあった防音室の選び方が分かります。今回は防音室の性能編。遮音レベルがどの程度の防音室を選ぶと良いか、具体的に説明します。参考になさってください。

防音室設置時の悩みベスト5

我が家は田舎の住宅街の一軒家で都会の方に比べると恵まれた音楽環境のようですが、日中でも自由に音出しできません。意外に思われるかもしれませんが、田舎は日中も都会の方には想像できない程に静かです。それゆえ、都会以上に音に敏感なところがあります。

というわけで、楽器練習中にご近所の方からの苦情があり防音室を購入したわけですが、防音室設置で悩んだことは以下の通り。

  1. どのくらいの防音性能が必要か
  2. 広さ・スペースの問題
  3. 値段
  4. エアコン設置の有無
  5. 重量(2階に設置できるか)

この記事では防音性能性についてまとめていきます。

防音についての基礎知識

我が家の環境

我が家は築30年、ハウスメーカーのパネル工法(2×4)による住宅。気密性低いです(あっ、もちろん上の写真は我が家とはまったく関係ありませんので…)。2×4の問題というより我が家の作りの問題だと思いますが。ちょっと大きめの声で話していると会話の内容が外で聞き取れるくらいの感じですから、楽器の音はガンガン漏れてしまいます。ご近所の方に迷惑と思われても仕方ありません。

そんなわけで防音室を購入することにしたのですが、一番頭を悩ませたのが防音性能の問題。防音室買ったのに音漏れでまた「うるさい」と言われたら目も当てられません。一方で性能によって値段が相当違いますので、限られた予算でしっかり防音してくれるものを選択するのに頭を悩ませました。

音の大きさの基準(dB デシベル)

それぞれにあった防音室の性能はある程度計算することができます。
音の大きさをデシベル(dB)で表します。デシベルのおおよその音量は以下のとおりです。

80dB:電話のベルや掃除機の音

70dB:テレビの音

60dB:普通の会話

50dB:静かな事務所の中

40dB:図書館の中

30dB:ささやき声

20dB:葉っぱの触れ合う音

防音室を考える時にしばしば起こる勘違いは「防音室は外に一切音が漏れない状態を作るもの」と考えてしまうことです。無音状態を実現するためには途方も無いお金がかかります。防音室とは外部に無音状態を作るためのものではなく、室内で発生している音を自宅外で気にならないくらいの音量にコントロールするものです。

家の中で楽器を演奏していて、その音が外では図書館の中で聴こえる程度の物音にコントロールできればクレームを言われることは無いでしょう。家の外でその程度にコントロールできれば、隣家の室内では聞き取ることは不可能になるわけです。

室内で発生している音を屋外でどのあたりまで小さくするか、これがまず防音室の性能を考える上での出発点になります。

一般的に、楽器の外に漏れる音量を40dBくらいに抑えれば隣家に迷惑をかけることは無いとされています。

音量

次に、楽器の音量についてですが、当然楽器ごとに音の大きさは変わってきます。あくまで参考ですが、

バイオリン:85dB

クラリネット:90dB

ピアノ:100dB

声楽:110dB

ドラム:120dB

くらいと言われます。

出される音域によっても変わってきますし、演奏者の腕前によっても変わりますのであくまで参考値ですが、自分の楽器がどの程度の音量が出るのかを把握しておく必要があります。

防音性能

さて次に、防音室の遮音性能についてですが、防音室の性能を表す時に普通【Dr-35】【Dr-40】というように表示されます。数字が大きい程遮音性能が高くなり、当然遮音性能が高い方が高価になります。

各社豊富なラインナップがありますが、家庭に設置する防音室ですとDr-30~Dr-50くらいの中からの選択と考えるのが一般的です。

必要な防音性能の算出方法

音量と防音性能について、必要な説明が終わりました。いよいよ、あなたにあった防音室の遮音性能の算出方法ですが、これはいたって簡単です。

まずご自宅で楽器を演奏した際に出る音量を考えます。我が家はバイオリンなのでおよそ85dBです。

そして、防音室の性能がを現わすDr-○○で引き算をします。仮にDr-40の防音室を設置した場合、「バイオリンの音量85dB-遮音性能40Dr」ということになります。

そうすると、防音室の外に漏れる音量は45dBとなります。45dBがどの程度の音量かというと、先ほどのdBの基準で考えると、図書館と静かな事務所の中間くらいの音の聴こえ方ということになります。

野外で妙な例えですが、仮に自宅の庭が静か目の会社の事務所だと考えると、その音が室内に若干聞こえそうな気がします。45dBの音がするというのはこういうことです。

ただし、ここで聞こえる45dBの音は「防音室の外に聞こえる」ということです。防音室は当然、屋内に組み立て設置するわけですから、防音室の外もまだ自宅の室内です。

通常の住宅は、住宅そのものがDr-20~25くらいの遮音性能を持っています。我が家の場合古いので低めに見積もって仮にDr-20くらいと想定したとして、先ほどの45dBからさらに20を引くことができます。

そうすると、外に漏れる音量は25dBということになりますね。30dBがささやき声程度の音量でした。庭で誰かがささやいても室内には聞こえません。つまり30dBまで防音室+住宅で遮音効果を出すことができれば、隣家に迷惑をかけることは考えづらくなります。

防音室の設置はこんな風にして計算していきます。目安としては、防音室だけで50dBまで遮音できれば、あとは住宅の遮音性能で隣家に迷惑をかけないレベルまで抑えられると考えて良いでしょう。

バイオリン、フルートの防音室使用例

我が家のシュミレーション

我が家のケースを紹介します。自宅で練習する楽器はバイオリンとフルートです。バイオリンの音量はおよそ85dB、フルートは90dBくらいです。

バイオリンの場合:楽器音量 85-防音室遮音 35-住宅遮音 20=30dB

フルートの場合:楽器音量 90-防音室遮音 35-住宅遮音 20=35dB

このような計算を下にカワイの防音室【ナサールUHC22】というDr-35のものを購入しました。フルートの方が若干音が大きいので、Dr-40が安心かとも思ったのですが、この差で値段が結構違うので悩んだあげくDr-35にしました。

音漏れの様子

防音室で音を出したところ、思いの他防音室の外に音が聞こえるので最初は心配しましたが、家の外で確認するとほとんど音漏れはありませんでした。意識すれば「楽器の音を聞き取れる」というくらいのレベルですから、正に「ささやき声程度」。外でこのレベルなので、隣家の中まではどう考えても聞こえない音量。安心しました。

ちなみに、フルートの方が少し音量が大きいので、外での聞こえ具合も幾分クリアになります。それでも「フルートの音が聞こえるかな」という程度で、隣家の室内に聞こえるレベルではありませんでした。

というわけで、理想は30dBまでの遮音。35dBくらいでも一軒家なら全然心配は無いというのが我が家の実感です。

まとめ

それぞれに合った防音室は楽器の音量と防音室+住居の遮音性能で考えるものです。

最近の住宅は気密性が高く音漏れがし辛い構造になっているので、我が家は住居の遮音性能をDr20で考えましたが、もっと遮音性が高いだろうと思います。

バイオリンであれば防音室はDr-35で十分というのが私の感想です。特に高い音の遮音はしやすいので、バイオリンやフルートは防音室が効果を発揮しやすい楽器です。防音室を設置してからは一切苦情はありませんし、夜間も問題なく練習できています。

音漏れを気にしての練習はストレスが大きいもの。ご近所への音漏れが気になっている方はぜひこの機会に防音室の設置を考えられると良いと思います。

引き続き、防音室設置のシリーズを続けますのでそちらもぜひお読みください。

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