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コントラバス

コントバス、ウッドベース、ダブルベース、どんな違いがある?

投稿日:2019-09-25 更新日:

数あるオーケストラの楽器の中でもっとも大きく、もっとも低い音を出すコントラバス。存在感抜群です。実は色々な呼び方・呼ばれ方がある珍しい楽器でもあります。

コントラバス、ダブルベース、ウッドベース、ストリングベース、弦バス、などなど。
なぜこんなに色々な呼び方があるのか。果たしてこれらはまったく同じ楽器のことなのか、違いはどこにあるのか。

コントラバスの呼び方と使われるジャンルについて分かりやすくまとめました。この記事読めばスッキリわかります!

コントバス、ウッドベース、ダブルベース、どんな違いがある?

コントラバスにこんなにたくさんの呼び方がある理由は、この楽器が様々なジャンルで使われるからです。以下、コントラバスが使われる主なジャンルとそこでの呼び名、奏法の特徴などをまとめました。

クラシック

コントラバスはオーケストラだけでなく、弦楽合奏、小編成の室内楽、珍しいですがコントラバスの協奏曲などもあって、クラシック音楽では欠かせない重要な楽器です。

コントラバスの「コントラ」というのは「特別低い」という意味がありますので、「特別低い音がするバス」ということですね。なおコントラバスの略称として「コンバス」と呼ばれることもあります。

また古い時代の曲ですとチェロとまったく同じ音をオクターブ低い音程で演奏することが多くあります。チェロがバスなのに対して、更にオクターブしたということで「ダブルベース」と呼ばれることもあります。

クラシックにおいてはコントラバス、もしくはダブルベースという呼び方が一般的です。

なお、クラシックにおいては弓を使って弦を弾くアルコ奏法が主で、指で弦をはじくピッチカート奏法も使われます。

ジャズ

ジャズにおいてはウッドベースと呼ばれます。

楽器自体はクラシックで用いられるコントラバスとまったく同じものです。ただし、楽器の調整には違いがあります。弦高や魂柱調整、好まれる弦も違います。

何より基本的に弓を使わずに、指で響くピッチカート奏法が主であるというのが特徴です。ピッチカートも、クラシックのような輪郭のはっきりした音ではなく、バンドを支える柔らかな音を出します。

また、生音のこともありますが、アンプに繋いでスピーカーから音を出すことが多いです。

ポップス

テレビで歌番組を見ていると、時々バンドの中でエレキベースではなくコントラバスが用いられていることがあります。エレキベースと区別する上で、ウッドベースと呼ばれることが多いです。

曲想によって、またポップスにおいては見た目も非常に重要ですので、ウッドベースが採用されることがあります。エレキベースの替わりの場合はピッチカート奏法が主で、アンプに繋いでスピーカーから音を出します。

ポップスの場合、ボディーのついていないアップライトベースというものが使われることもあります。

吹奏楽

吹奏楽器が主体の吹奏楽になぜコントラバスが入っているのか。この理由は以前に書きましたのでこちらをご覧ください⇒なぜ吹奏楽にコントラバスが入ってる?

吹奏楽では基本的にコントラバスと呼ばれますが、時々弦バスという呼称が使われることがあります。

吹奏楽のバスと言えばチューバですが、そこに弦楽器のバスが入っているということで弦バス。しかしこの呼び方を非常に嫌がる人がいるので注意が必要。

奏法はオーケストラと同じようにアルコとピッチカートの併用ですが、吹奏楽は演奏されるジャンルが幅広いので、ジャンルによってピッチカートのみということもあります。

アンプに繋ぐということはほぼありません。楽器の調整は通常のクラシックバージョンになります。

ロカビリー

コントラバスが使われる意外なジャンルとしてロカビリーがあります。これは他のジャンルとは全く違い、スラップ奏法という弦に指を引っかけて指板に叩きつけるような特殊な奏法になります。

屋外で演奏されることが多く、楽器を響かせるというような概念が無いので、奏法的にもファッションとしても傷だらけ、ペイントやシールを張り付けたクラシックの人間が見ると何ともいたたまれなくなるような姿で用いられています。

楽器自体は同じものですが、弦を指に引っかける独特のスラップ奏法に向いた弦高に駒を調整します。ウッドベースと呼ばれることが多いようです。

まとめ

上記以外では、マンドリンオーケストラやフルートオーケストラなどでもコントラバスが低音を補うために使われることがあります。

これほど様々なジャンル・様々な奏法で用いられる楽器も珍しいのではないでしょうか。色々呼び方に違いはありますが楽器自体は同じものです。

色々なジャンルの演奏で目にするコントラバス。音色や奏法の違いに注目して楽しんでいただけたらと思います。


コントラバスについてもっと知りたい方におススメ記事

コントラバスとバイオリン、どちらの値段が高い?

なぜ吹奏楽にコントラバスが入ってる?

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-コントラバス

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