バスオさんの部屋

ヴァイオリンやコントラバスなど弦楽器のことを中心に、子どもさんのお稽古や楽器管理のアドバイス。アマチュア・初心者の方のおススメ楽器など。

弦楽器の管理 コントラバス

冬のコントラバス松脂事情

投稿日:2021-05-28 更新日:

コントラバスの松脂は他の弦楽器の松脂と比べて柔らかく粘着性が高いです。そして種類によって硬さの差が大きいのも特徴。季節ごとに使い分けている人も珍しくありません。松脂の選択は重要です。

粘着性の高い松脂も管理を上手くしないと硬くなってのりが悪くなります。

例えば夏の暑い日に松脂を溶かしてしまうのはコントラバスを弾く人なら誰でも経験することでしょう。冷えればまた元の形に戻りますが、しかし一度溶けてしまうと完全には元の品質には戻りません。

一見元の形で固まったように見えても、製造された際の成分のバランスが崩れてしまうので同じような性能は期待できず、段々化石のようになっていき当初のみずみずしさが失われてしまいます。

溶かしてしまわなくても、空気に触れることで段々と劣化し硬くなっていきます。

↑の写真のように粘度の高い松脂の代表選手POPS’もやがて化石のようにカチコチになってしまいます。ここまででなくても、寒い時期に硬くなった松脂では良い音は鳴らせません。

冬の寒い時期に音がカサカサしてきたり、低弦を上手く振動させられなかった時には、思い切って松脂を買い替えてみるのも一つの方法です。

冬季だけポップスのような柔らかい松脂を使ってみるのも良いかもしれません。温度によって松脂の弓の毛へのつき方には差が出ることを覚えておいてください。

人気のコントラバス松脂【Kolstein】(コルスタイン)はソフト、オールウェザー、ハードと硬さが三種類から選べます。↓のコルスタインはソフトタイプ。寒い時期に最適です。

 

↓はオールウエザータイプで中間の粘度です。

 

コントラバスの弦は他の弦楽器に比べて圧倒的に太いので、松脂がしっかりのって弓の毛が弦を確実に捉えられることが大切です。松脂が合っていなかったり劣化している場合、松脂を替えるだけで音が大きく変わることがあります。現在お使いの松脂をこの機会にもう一度確認してみてください。

-弦楽器の管理, コントラバス

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

コントラバスでよく聞く「合板」と「単板」の違い

ヴァイオリンなど弦楽器の材料となる木は表板がスプルース(マツ科の針葉樹)、裏板や側板はメイプル(楓)と決まっています。 しかし安価な楽器は値段を抑えるために代替材料が使われることがあります。 コントラ …

POPS’コントラバス松脂を新鮮に保つお勧めアイテム

コントラバスの松脂。色々な種類がありますが人気が集中するのは3・4つですね。その内の一つPOPS'(ポップス)。赤いケースが印象的なファンの多いバス松脂です。 今回は管理の難しいPOPS’ …

弓の毛替え 早わかり簡単ガイド

弦楽器の管理シリーズ、今日は弓の毛替えについてです。 これを読めば弓の管理に欠かせない毛替えで必要なことがばっちり分かります。 弓の毛替え 早わかり簡単ガイド 弓の毛の特徴 弦楽器の弓の毛は馬のしっぽ …

コントラバスのペグ交換が分かる 一体型から独立型に

全ての弦楽器に付いているペグ(糸巻き)、チューニングをしてから演奏する弦楽器にとってペグが正常に機能することは必須。正しく演奏してもチューニングが合っていなければ台無しです。 また練習効率にも大きく影 …

魂柱(こんちゅう)ってなに?早わかり簡単ガイド

ヴァイオリンやコントラバスなどの弦楽器の中には必ず魂柱(こんちゅう)という棒がついています。 これはバイオリンの中を映した写真ですが、中に棒が一本立っているのが見えますね。これが魂柱です。なぜこんなと …