ブログの中で繰り返し ‟楽器購入に際しては必ず専門店で調整してください”と書いています。楽器店で直接買って「調整済み」と書いてあればその必要は無いのですが、ネットなどで取り寄せた場合、楽器調整は必須です。
今日は具体的に楽器の調整とは何をすればよいのか。
よく購入した楽器を調整に出さずにそのまま使って不具合があることを「不良品」とおっしゃる方がいますが、「調整済み」と書いていない限りは購入してまずは調整に出すことが前提になっています。
この記事を読むと、楽器購入後に楽器を演奏できる状態にするために必要な調整作業のことがすべてわかります。
バイオリン(弦楽器)購入時の楽器調整 早わかり簡単ガイド
基本的に弦楽器の専門店に持っていき「楽器購入したので調整をお願いします」と言えば、必要に応じて
楽器購入時に必要な楽器調整は主に以下の3点です。
駒の調整
駒によって弦高(げんこう)、弦と指板の高さが決まります。
逆に弦高が低いと弦が指板に当たってノイズが出たり、駒のアーチが平らだと一つの弦を弾こうとした時に他の弦にも
また駒の位置によって音色・楽器の鳴りも変わってきます。楽器を購入した時には必ず駒調整をしてください。
ヴァイオリンの弦高の基準は以下のとおり
E線:3.5mm~4mm弱
A線:4mm強
D線:5mm弱
G線:5.5mm
(園田信博著:最上の音を引き出す弦楽器マイスターのメンテナンスより)
最上の音を引き出す弦楽器マイスターのメンテナンス: ヴァイオリン ヴィオラ チェロ コントラバス
お手持ちの楽器の弦高をはかって基準値との開きが大きければ、駒調
魂柱の調整
魂柱(こんちゅう)
詳しく知りたい方⇒魂柱(こんちゅう)ってなに?早わかり簡単ガイド
楽器屋さんで「魂柱の調整をお願いします」と言えばOKです。
ペグ(糸巻き) の調整
新品の楽器を買うと、
楽器屋さんに「ペグの固さ大丈夫ですか?」と聞いてみてください。
長くヴァイオリンを使っているうちにペグや穴が削れて緩くなったり、逆に湿気でペグが膨張して固くなったりということもあります。
繰り返しになりますが、チューニングがずれていていくら練習しても成果はあがりません。ペグは常に万全の状態にしておきましょう。
弓の調整(毛替え)についてはこちらの記事↓
調整に掛かる費用は?
それぞれのお店で違いがありますが、
弦高調整 2,000円
魂柱調整 応相談(魂柱立直し 500円)
ペグ調整 1本500円
まとめ
楽器の購入だけでなく、楽器の調整が必要になる弦楽器。お金も労力もとられるので煩わしいと思うかもしれませんが、これが弦楽器の魅力の一つとも言えます。
弦楽器を続けていると楽器屋さんとの付き合いは切っても切れないもの。段々顔見知りになり、上記のような情報を細かく教えてもらったり、音の好みや楽器に合わせた調整で同じヴァイオリンでも音色が変わったり。
男の子が大好きな機械いじりのようなロマンを感じるところでもあります。職人さんは無愛想でとっつき難いところもあるかもしれませんが、自分が付き合いやすい職人さんを探すのもまた楽しみの一つです。
弦楽器に関する本はたくさん出版されていますが、2017年に出版されたこれは決定版。超有名な職人の園田さんがご自身の経験・知識を「えっ、いいの?」と心配になるほどに出し惜しまずにすべて本にまとめておられます。この本一冊あればヴァイオリンの管理は安心。読み物としてもとっても面白いです。
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