物心つく前に始めなければいけないヴァイオリンであるだけに、先生選びがとにかく大切。というわけで、先生の選び方について詳しく説明するシリーズの2回目、今日は先生の年齢編です。
その1はこちら⇒子どものバイオリンの先生の選び方 (はじめの一歩編)
楽器の先生を年齢ではかるなんて、、、と思われるかもしれませんが、そういう視点からも考えるべきことがあるのです。
大切な子どものための先生選び、しっかりと情報を仕入れて子どもさんにとっての最高の先生を見つけてください。
高齢の先生の特徴
高齢の先生は当然指導歴が長いわけで、様々な子どもさんを教えた経験があります。指導の成功体験、失敗体験も豊富です。有能な生徒さんを輩出したベテランの先生に師事することの安心感は間違いなく大きいです。
ただし実績のある先生であっても、現役を引退しているようなご高齢の方の場合には注意も必要です。
ヴァイオリンのような伝統ある楽器で意外に思われるかもしれませんが、弦楽器の奏法は時代によってかなり変化します。
例えば20世紀最大のヴァイオリニストの一人に数えられるミルシテイン、魅力的な録音がたくさん残っていますが、動画で観ると現代の奏法とは一見して違います。
もし仮に現代のお子さんがミルシテインの奏法でヴァイオリンを習得していった場合、現代のスタンダードな奏法を学びなおさなければいけなくなります。
ベテランの先生は過去の成功体験が強いゆえに、時代の変化に柔軟に対応できず、指導内容が時代にそぐわないということが起こります。
また音楽の世界には古い慣習のようなものがたくさんありますが、現代は数十年前に比べるとかなりスッキリとしてきているように思います。高齢の先生はそういう意味で、古い習慣が身についていてややこしさがあることを感じることがあります。
若い先生の特徴
若い先生は言うまでも無く、指導経験が少ないというのが一番のマイナス要因です。
何の分野であっても、指導者は指導の失敗体験を通して成長していくもの。冷静に考えて、自分の子どもがお若い先生の失敗経験になる可能性は否定できません。賭けのようなところがあります。
ただ、指導経験が少ないだけに一生懸命教えていただけるということも確かにあります。一度のレッスンのためにあれこれ勉強し、丁寧に準備して指導にのぞんでくださるお若い先生もいらっしゃいます。100人目の生徒さんと1人目の生徒さんはやはり先生にとって重さが違いますよね。
また、ご自分が生徒として学んでいた時からそれほど間が無いので教わる側の気持ちが良く分かっているということもあるでしょうし、現役の奏者として活動しておられるなら、最新の音楽業界の事情を良く分かって教えていただけると言う面もあります。
まとめ
年齢で先生の良し悪しを決定付けることはできませんが、上記のように先生を選ぶ際の参考にはなります。
どんなに優れた実績があってもあまりご高齢ではない先生に師事した方が良いと思います。ベテランの先生から学べることはたくさんあるのですが、何かの折にアドバイスをいただくようなスポットのレッスンが良いのではないでしょうか。
またあまりにもお若い指導経験に乏しい先生は、演奏者として優れた方であっても避けた方が良いと思います。
はまる可能性もありますが、あなたのお子さんが結果として指導者としての先生の経験を積む実験材料のようになってしまう可能性もあります。
指導実績がそれなりにあり、現代の音楽界を皮膚感覚で知っている先生というのが理想です。年齢的にはかなり幅が広くなりますが、ある程度年齢が高い先生でも現役であること。またお若い先生でもそれなりに指導実績を持ってらっしゃること。
この辺はぜひ押さえていただけると良いのではないでしょうか。