物心つく前に始めなければいけないヴァイオリンであるだけに、先生選びがとにかく大切。というわけで、先生の選び方について詳しく説明するシリーズの3回目、今日は気になるお月謝編です。
その1⇒子どものバイオリンの先生の選び方 (はじめの一歩編)
その2⇒子どものバイオリンの先生の選び方 その2(先生の年齢編)
「こどものためなら金に糸目はつけぬ!」と言えてしまう一部の家庭を除いては、子どもにヴァイオリン習わせる上でちゃんと考えなければいけない大事なテーマですね。この記事を読むと、バイオリンのレッスンのお月謝・謝礼のことが良く分かります。
謝礼あれこれ
ヴァイオリンの先生の謝礼に何か基準があるわけではありません。資格があるわけでもない職業なので個々に大きな差があります。
その差は説明できる差であることもありますし、そうではないこともあります…。
街の音楽教室などですと、1ヶ月で3・4回のレッスンを月謝1万円くらいで設定しているものがよくあります。ネットで調べるといくらでも出てきます。
また先生に個人的にお願いして、1回のレッスン「幾ら幾ら」ということもあります。
ざっくりした話しですが、ある程度音楽活動をしている方ですと1レッスン3000~5000円くらいの設定が多いように思いますし、名前とお立場(大学の役職やオーケストラのメンバーであるなど)のある方であれば1レッスン1万円という先生も多いです。超有名な先生であればもう上限が無い世界です。
幾らが妥当なのか…。これはもうケースバイケースで答えはありません。
その先生の演奏家キャリアや指導実績など様々なことを勘案しながら妥当性を探るほかありません。
お月謝・謝礼の考え方
専門的に勉強するのであればお月謝はケチらない、というのが大原則です。良い先生に習うというのが決定的に大事なのです。
逆に趣味・習い事の一環であれば、街の音楽教室で経済的に負担のならない範囲で、相性の良い先生に楽しく教えていただいたらよいと思います。音楽や楽器が大好きになって楽しく続けていけたらそれはすばらしいことです。
ただ楽器の性質上ある程度の年齢になって「やっぱり専門を目指そう」と思ったときに、かなりの遠回りか、もしくはすでに間に合わないこともあり得ます。
始める段階でどういう位置づけでのヴァイオリンのお稽古にするか、やはり考えておく必要があります。
演奏も指導も並みの先生の指導で、凄いヴァイオリニストが誕生したという話しを私は聞いたことがありません。本人にたとえ才能があってもそれを適切に引き出し伸ばしてくれる指導者無しに、優れたヴァイオリニストへの道は開かれません。
謝礼の妥当性の見分け方
高い謝礼を取る方が良い先生かと言えばそれももちろん違います。「なぜこんな高い設定?」という謝礼の方も間違いなくいらっしゃいます。
当たり前のことですが、個人レッスンの場合謝礼は先生が設定しているわけですから、そこに妥当性があるかないかは周囲が判断することです。
一つの分かりやすい目安として、良い先生のもとにはたくさんの生徒さんが集まっています。1レッスン1万円と聞いて「高い」と思われる方もいるでしょうが、良い先生ならその設定でたくさんの生徒さんがついているものです。
ただ良い先生は間違いなく忙しいです。月に2・3回ということになるかもしれません。月2・3回のレッスンで継続的にお支払いできる額がどのくらいになるかを考えての判断になりますね。
まとめ
一昔前に比べたらレッスンの謝礼は常識的な範囲内になっているように感じます。トップレベルのヴァイオリニストの先生でも1レッスン1万円ということが多いです。「子どもさんは5,000円で」とおっしゃってくださる、子どもを育てることに信念を持つ一流の先生もいらっしゃったりします。
一方で繰り返しになりますが、そこまでの力が無い先生が一流の方と同じ謝礼を取っているケースもあります。そこは要注意です。
将来的に専門の道を考えるなら「なるべく安く」ではなく、継続的にお支払いできる額のなかで、できる限りよい先生を考えていかれることをお勧めします。
音楽を学ぶにはどうしてもお金がかかりますが、楽器を正しく奏でることを健康な心で身につけていくことができたら、それはただ楽器が弾けるようになるだけではない、お金にかえられない幸せの宝をお子さんに与えることになることになります。
良い先生との出会いはお渡しする謝礼以上に価値のあるものをお子さんに与えてくださる機会にきっとなるでしょう。
子どものバイオリンの先生の選び方 その4(先生のキャリア編)